本町2丁目の起点に、新たな旨し店の明かりが灯った。フレンチのアラカルトとナチュールの組み合わせで、美味しい夜が過ごせるこの店を営むのは、シェフの清水さん。有楽町に店を構える〈ビストロ カンゾ〉店主を父に持つ彼は、フランスの料理専門学校で学んだ帰国後フレンチの名店〈ジョエル ロブション〉にて修行。ミシュラン取得店の料理長などを経て、世界最速でミシュランを獲った〈tirpse〉香港店にてシェフを務め、拠点を日本に移すタイミングで、生まれ育った高山にて自らが腕を振るう店〈MEMOIRE〉を開くことになった。
自家製リコッタチーズと組み合わせたオリーブのマリネ。パイナップルのジャスミンティーのマリネはスパークリングワインと好相性。平飼いの卵と米酢を使った自家製マヨネーズで作る「ウフマヨ」は、フレンチでは伝統的な組み合わせ。カンボジアの生の黒胡椒とトリュフオイルがアクセントに。
これからの季節は、カウンター向かいの窓を開いて腰を下ろす外席もあり。暮れ行く高山の町の気配を感じながら、1杯。
道ゆく人がみな思わず目が引かれるヨーロピアンな外観。
長く付き合いのある生産者から届いたピンク色のアスパラガスとアジを使った一皿1,900円。アスパラガスは「生で味わえる」ひと月のみサラダにして。国府・〈野村農園〉にて摘んだルッコラの花をあしらって。
ブラータチーズ苺2,300円。
彼がこの店で提供するのは、「ワインとペアリングすることで完成する」極上で気軽なフレンチ。これまでの人脈を活かし「顔の見える生産者」から仕入れた厳選された食材を、培ってきた経験とセンスで仕上げる一皿は、乞うご期待。旨いフレンチを肴に、ナチュールのグラスを傾けながら、ゆったりと話せる夜を楽しんでみたい。
作家ものの陶製のワイングラスやフランスの伝統的なカレンダー、旅先で巡り合った古道具など、店主の異国の思い出が並ぶ壁面。
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